病院事業管理者・病院長 ごあいさつ





 令和3年度(2021年度)4月より病院事業管理者に就任いたしました。小国公立病院としましては新設の職であり、病院事業管理者と院長が協力し運営・管理にあたる新体制の開始となります。
 私は、平成24年(2012年)10月に小国公立病院の常勤医師として、小国公立病院に赴任し、早いもので8年半が経過しました。この8年間で小国の地域医療に対する思いがより強いものになってきており、今回の辞令を身の引き締まる思いで受けさせて頂きました。
 コロナ禍により、都市と地方のバランスがやや地方寄りになってきています。密をさけて、開かれた疎なところに人間が移り住む「開疎化」というムーブメントが起こってきています。小国はこの「開疎化」というコンセプトにぴったりとフィットする土地の力と人の力を備えています。
コロナ禍を乗り越えた後の世界で私が必要と思っているキーワードが2つあります。「多様性の受容」と「持続可能性」です。この2つはグローバルな視点でもローカルな視点でも重要性を増しています。この20年ほど、医学の世界では、大規模臨床研究に基づく標準的な治療を確立し、科学的なデータにもとづく治療を行う事で人類史上最高の平均寿命を獲得し、その目指してきた世界、つまり高齢化社会に到達することに成功しました。健康寿命も延びており元気な高齢者が益々増えてきています。長寿社会を手に入れた日本人が次なる価値として考えるべきは「多様性」だと考えます。標準の底上げにより到達した世界で、ひとりひとりの多様な個性と価値観、そして、子供からお年寄りまで人生のステージに合わせたオーダーメードの医療やケアを提供できる時代が、すぐそこまで来ています。そして、それが今最も必要なのは、高齢化が進んでいる地方なのです。
 医療のみでは自分らしい人生を送ることはできません。医療と豊かな生活の架け橋となる様な病院づくりを、病院外の多職種・多業種との連携により実現していく為に、病院事業管理者の職が新設されたものと考えております。
 豊かさのない世界では、地方の切り捨てと個人の切り捨ては同じロジックで行われます。勝ち負けを争い、勝ち組だけが生き残っていく社会ではなく、誰一人取り残さない豊かな社会を、次世代の為に構築していく義務が僕らの世代には課されています。その為には持続可能な形での多様性の受容は不可欠であり、その中で医療とケアの占める位置づけは小さなものではないと考えています。


 

 この度、2021年4月より病院長に就任いたしましたのでご挨拶申し上げます。
 皆様には、常日頃より、小国公立病院へのご理解とご支援を賜りますことに、心よりお礼申し上げます。
 当院は、昭和28年、国民健康保険病院(37床)として開設され、昭和45年、小国町外一ヶ町公立病院組合 小国公立病院となりました。小国町と南小国町で設立されている公立病院です。
 平成11年、訪問看護ステーションと老人保健施設を併設。平成15年MRIや平成18年マンモグラフィ撮影装置を導入し、CTは都度更新され、現在64列の高速撮影ができます。平成27年電子カルテも導入、低炭素化設備も設置しました。救急告示病院でもあり救急車も365日受け入れています。
 地域のかかりつけ医として、1日外来患者は約200人受診されます。現在常勤医師は7名ですが、熊本大学などに応援いただきながら13の診療科があります。入院病床は73床(一般41床、地域包括ケア病床32床)です。がん診療拠点病院と連携し、地域の癌診療も行います。特化した病棟はありませんが、要望に応じて緩和ケアも行います。
 また、予防医療として、健診(小児、学校、職場、人間ドックなど)や予防接種にも力をいれています。今年は、新型コロナウイルスに対する予防接種も始まりました。5月からは住民への接種にも協力する予定です。
 次代を担う研修医の地域医療研修も行っており、多職種とともに充実した研修となるよう努めています。また在宅診療や開業医の先生や施設と在宅医療研究会も行い、認知症カフェなども共同運営しています。
 以上のように、当院は、いくつもの役割を果たしています。国の「地域医療構想」では、医療機関の機能分化・連携を進めていく必要があるといわれていますが、今後も熊本県や医師会や他医療機関と協議しながら、住民の信頼に応えるべく、質の高い公平公正な医療を提供したいと存じます。
 今後とも、ご指導、ご協力、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。